スマホで対応機が増えているWi-Fi 6って何?Wi-Fi 5との違いは?

最近のフラッグシップ機では、対応機が増えているWi-FI 6。iOS端末では、iPhone11、12シリーズ、iPhone SE (第2世代)、Android端末では、Xiaomi Mi 11、Galaxy 20 5G、AQUOS R5G、Xperia 1 IIなどが対応になっています。まだまだ主流ではないWi-FI 6ですが、次世代のWi-Fi規格として注目されています。Wi-FI 6は何が良いのか?Wi-Fi 5との違いを調べてみました。

Wi-FI 6って何?

そもそもWi-FI とは無線LANの1種です。主に高速インターネットに接続するためのルーターとデバイス(スマホやパソコンなど)間など、対応機器同士をWi-FI で接続しています。このWi-FI の最新規格が「IEEE 802.11ax」です。この最新規格「IEEE 802.11ax」の総称の事をWi-FI 6と言います。

規格自体は順々と高性能に変化していき現在の最新規格は6代目の規格のため、Wi-FI 6という名称になっています。これまでの変化は以下の様に進化しています。

世代規格名名称最大通信速度利用周波数     
4(2009年)IEEE 802.11nWi-FI 4600Mbps2.4GHz帯/5GHz帯
5(2013年)IEEE 802.11acWi-FI 56.9Gbps(4世代より約11.5倍速い)5GHz帯
6(2019年)IEEE 802.11axWi-FI 69.6Gbps(5世代より約1.4倍速い)2.4GHz帯/5GHz帯

3世代以前についての名称はナンバリングがなく、ただ「Wi-FI」という名称です。世代が名称に入るようになったのは4世代からになります。

BluetoothとWi-FI の違いは?

無線通信というとBluetoothも無線LANの規格の1つです。BluetoothとWi-FIでは特徴が異なるために使い分けがされています。大まかな特徴は以下の様になります。

名称最大速度利用周波数     特徴
Bluetooth 52Mbps(Low Energy)
24Mbps(Classic)
2.4GHz帯省電力性が高い
Wi-FI 69.6Gbps2.4GHz帯/5GHz帯通信が速い

Wi-FIの方が速度が速いため、ネット接続にはWi-FIが利用されます。一方、待機時間が長くなるLow Energy機能を持つBluetoothはマウスやイヤホン、キーボードなど長時間利用のデバイスとの通信が一般的です。

また、Bluetoothの規格もナンバリングがされていて、現在の最新はBluetooth5.2です。速度などはBluetooth5と変わりませんが、5.1(2019年)では受信の方向探知機能が付き、5.2(2020年)ではオーディオ技術「LE Audio」が追加されて低消費電力での高品質音声データ送信、複数共有を可能とするオーディオシェアリングが可能になっています。

Wi-FI 6の特徴は?

新規格のWi-Fi 6は大きく3つの項目が改善しています。

通信速度の高速化

Wi-FI規格の推移で記載していましたが、Wi-FI 6では最大通信速度が9.6Gbpsとなりました。これはWi-FI 5と比較して約1.4倍高速です。

高速通信によりグラフィックのキレイな高画質ゲームや、8Kや4Kなどの動画コンテンツを観る際の乱れ、途切れが改善されます。

また、5GHzと2.4GHzの2つの電波帯の回線処理が可能になりました。電波状況により繋ぎ変え快適な通信を利用できます。

複数台接続に強く通信が安定

Wi-Fi 6からはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が導入されて、デバイスとの同時接続が可能になりました。Wi-Fi 5にはOFDM(直交周波数分割多重方式)という技術が搭載されていました。

OFDMは1通信に対して1デバイスへの通信を行い、複数台接続の際には順番に通信を行う接続をしていました。

OFDMAでは1通信でも複数デバイスに通信を行うことができるようになり、複数同時接続でも混線がなく、安定した通信ができるようになります。OFDMAにはOFDMの様に接続の順番待ちがないため、通信処理の高速化も望めます。

省電力化

Wi-Fi 6ではTWT(ターゲットウェイクタイム)が導入されています。TWTは使用していないデバイス(スリープ時)への通信を控え通信タイミングを調整する機能です。スリープ時でも行われる電波捕捉が抑えられるので、Wi-Fiデバイスの消費電力が抑えられます。

Wi-Fi 6を一言でいうと

高速で、通信が安定し、省電力になったWi-Fi」です。

Wi-Fi 6はどうやったら使える?

ネット通信でWi-Fi 6の利用には、専用のルーターと専用のスマホ(デバイス)の両方が必要になります。

Wi-Fi 6対象のスマホ(デバイス)だけ持っていても発信しているルーターがWi-Fi 5ではWi-Fi 6は使えません。逆にWi-Fi 6用のルーターがあっても、スマホ(デバイス)がWi-Fi 5対応ではWi-Fi 6は使えません。

ただしWi-Fi 6には下位互換性があるので、ルーターがWi-Fi 6対応でもWi-Fi 5のデバイスはWi-Fi 5が使えます。今後はWi-Fi 6対応機が増えてきますので、今は手元にWi-Fi 5デバイスしかなくても、Wi-Fi 6対応ルーターを買ってもWi-Fi 5が使えます。

Wi-Fi 6対応ルーターは以下のようなものがあります。執筆時点でAmazonにて1万円以下のものをピックアップしています。

まとめ

Wi-Fi 6は2019年に発表された最新のWi-Fi規格の名称です。規格名はIEEE 802.11ax。高速通信、多重接続、省電力性に優れています。Wi-Fi 6には下位互換性があるのでWi-Fi 6対応ルーターを買っても、Wi-Fi 5対象製品は使えます。今からルーター買い替え希望の際にはWi-Fi 6対応機を選ぶのが良いでしょう。

Wi-Fi 6の対象商品はWi-Fi 5と比べると、まだ多くはありませんが今後主流になっていく規格と言えます。

ルーターが準備出来れば、次はWi-Fi 6対応スマホを選んでみましょう。2021年4月時点でWi-Fi 6対応の主な国内SIMフリースマホは以下のようなスマホです。

  • iPhone 11~12シリーズ
  • iPhone SE(2世代)
  • ZenPhone 7シリーズ
  • Xperia 1Ⅱ         など

新規格のWi-Fi 6ですが、Wi-Fiの普及を目的とした団体「Wi-Fi Alliance」からは新しいWi-Fi規格の「Wi-Fi 6E」が発表されています。Wi-Fi 6Eは、これまでWi-Fiでは使ってこなかった6GHz帯を使うWi-Fi 6のこと。混線が少なく多くの国で免許不要の6GHz帯を使うことで通信処理を高速化できるようになります。しかしWi-Fi6Eの普及については少し先の話になりそうです。

今後、スマホを含めた通信機器をご検討の際には対応するWi-Fi規格も気にしてみてください。Wi-Fi 6ならより快適な通信環境が手に入るはずです。

SIMフリー版スマホをご検討の方は格安SIMとのセット割がおすすめです。

関連記事:新料金掲載!格安SIM3社で実施中のスマホ割引比較 OCNモバイルONE / BIGLOBEmobile / IIJmio