スマホを選ぶ際、何を気にして選びますか?ブランドや、カメラ、サイズにOS(androidか、iosか)、価格、バッテリーなど?もしくは、出来ること・利用状況で選ぶ(コスパ派?)こともあるでしょう。正直選ぶポイントは無数にあって困ります。まずはスマホの処理能力を確認してはいかがでしょうか?
・CPUを含めた部品を乗せたチップはSoCという
・Snapdragonはクアルコムが作るSoCのこと
・処理性能イメージはSnapdragonの番号でわかる
スマホの処理能力が低いとどうなる?
スマホの処理が遅いと以下のような現象が起こります。
- ブラウジングで画面がもっさり動く
- 複数のアプリを立ち上げると固まる
- ゲームすると画面がカクカクする
- スマホ利用中に落ちる などです。
処理負荷の高い代表格はグラフィックの精細な3Dゲームです。ゲームの負荷に対し処理能力が低いとディスプレイがカクカクしたり、固まったりしてゲームができないことも。単なるブラウジングでも、高画質画像の描写速度に影響します。
CPU(Central Processing Unit)が処理・命令の頭脳に当たる部分ですが、他にもグラフィックの描写を処理するGPU(Graphics Processing Unit)や通信のモデム、CPUからの処理が書き込まれるRAMなどいくつもの部品が複合して、スマホは処理を行います。
CPUやGPU、モデム等のスマホに必要な部品をチップに乗せて1つの部品にしたものがスマホには搭載されています。スマホの処理についてはCPUのみで語られることはほぼありません。CPUを含めた部品が色々乗ったチップが処理能力を発揮する部品として搭載されるからです。
CPUやGPU、モデムなどを組み込んだチップのことをSoC(System on a Chip)と言います。
色々な機能がセットになったSoCがスマホの処理能力を支えているのです。
処理性能はベンチマークで比較できるが…
スマホ自体の性能はベンチマークで数値化して評価をすることも多いです。「AnTuTu(アンツツ)」というベンチマーク測定アプリで性能測定されているケースが多いですが…「AnTuTu」は2020年3月にGoogle Playから削除されています。Googleのポリシーに違反したとのことですがAnTuTu側は誤解であるとの表明をしています。
ベンチマークに関しては使用状況で相違すること、メーカー公式に表記されることも多くないため、絶対的な指標というよりは、参考値として考えるのが良いです。しかしながら、世界中の多くのサイトで参考値として採用されていますので、十分な目安にはなります。
Snapdragonって何?
スマホに搭載されているSoCの多くが米クアルコム社のものです。クアルコム社の販売するSoCの商品名が「Snapdragon」です。たまにメーカーのスペック表記にCPU:Snapdragon〇〇〇と書かれていますが、正確にはSnapdragonはSoCです。
Snapdragonはナンバリングがされていて、現状は800番台が最上位でメーカーを代表するフラッグシップ、ゲーミングスマホなどに搭載されます。700番台はミドルクラス、600番台はエントリークラス、廉価盤に搭載されるます。現行使用されている主なSnapdragonは以下のものです。新しいものを上から順に並べ、改善点を抜粋しています。
Snapdragon800番台 主にフラッグシップ機など高性能機種に搭載
型番 | 最大クロック数 | 改善点 |
Snapdragon 865 5G | 2.84GHz | 5G最適化、バッテリー寿命強化 |
Snapdragon 855+ | 2.96GHz | ゲーム機能強化 |
Snapdragon 855 | 2.84GHz | AI機能の強化、初の5G対応 |
Snapdragon 845 | 2.8GHz | バッテリー寿命と急速充電強化 |
Snapdragon 835 | 2.45GHz |
Snapdragon700番台 ミドルクラスに搭載。
型番 | 最大クロック数 | 改善点 |
Snapdragon 765G 5G | 2.4GHz | グラフィックス、5G対応強化 |
Snapdragon 765 5G | 2.3GHz | 5G対応、カメラ機能強化 |
Snapdragon 730G | 2.2GHz | ゲーム機能強化 |
Snapdragon 730 | 2.2GHz | AIエンジン、ビデオ機能強化 |
Snapdragon 720G | 2.3GHz | ゲーム、グラフィックス強化 |
Snapdragon 712 | 2.3GHz | AI強化 |
Snapdragon 710 | 2.2GHz |
Snapdragon600番台 エントリーモデル、廉価版などに搭載
型番 | 最大クロック数 | 改善点 |
Snapdragon 675 | 2.0GHz | カメラ機能強化 |
Snapdragon 670 | 2.0GHz | AI、マルチタスク強化 |
Snapdragon 665 | 2.0GHz | AI強化 |
Snapdragon 660 | 1.95GHz~2.2GHz | 25MP画質サポート |
Snapdragon 635 | 1.8〜1.95 GHz |
*スマホによって対応している電波帯が違うため、5G対応Snapdragon搭載=「5G回線が使える」ではありません。
結局どのSnapdragonが良いの?
処理速度は高い方が良いですが、その分価格も高くなります。高度な処理速度を必要とする代表は高画質3Dゲームですが、ゲームしない人にとっては800番台のスマホはオーバースペックと言えます。
OPPO公式 製品ページより
ネット見てSNSする位の利用だと600番台でも使用に困ることはないです。2019年発売のGoogle Pixel3aは比較的評判の良い機種ですがSnapdragon670搭載です。
また同じ700番台でも、Snapdragon710と765の違いも大きく、同じ700番台でも、まるで別物です。極力新しいナンバーを選びたいところですが、安く手にしたい場合などはあえて古いナンバーのものを選ぶこともできます。
スマホ購入をする際はどのSnapdragonが搭載されているのか、最新のものか、何番台なのか理解しておくと、自分の用途にあったスマホを選ぶ基準になります。モデルケースとしては以下を参考にするとスマホも選びやすいです。
Snapdragon800番台に向いているタイプ
- 価格は10万円程度でも問題ない。
- スマホで高画質な動画を撮ったり、最高画質にこだわりたい。
- グラフィックの綺麗なゲームを良くする。
- 高機能で質感が良いフラッグシップ機を持っていると気分が良い。
- 数年使うから新しいサービスでも対応できそうなスペックのものが良い。
今買えるSnapdragon800番台搭載機種
- SHAPE AQUOS R5G(Snapdragon 865 5G)
- ZTE Axon 10 Pro 5G(Snapdragon 865 5G)
- Samsung Galaxy S10(Snapdragon 855)
- Xperia 5(Snapdragon 855)
- OPPO Reno10x zoom (Snapdragon 855)
Snapdragon700番台に向いているタイプ
- 価格は5~8万円位。
- 凝ったゲームはしないけど、一通りサクサクと使いたい。
- 写真、動画もキレイに撮りたい。
- SNSへのアップロードストレスなくしたい。
Snapdragon700番台搭載機種
- Xiaomi Mi Note 10(Snapdragon730G)
- OPPO Reno A(Snapdragon710)
- 700番台は日本未発売機に多い…
Snapdragon600番台に向いているタイプ
- 価格は2~4万円位。
- ゲームはあまりやらない。
- ブラウジングとメール(LINE等)をするくらい。
- ライフログ程度の写真でも問題ない。
Snapdragon600番台搭載機種
- OPPO A5 2020(Snapdragon665)
- AQUOS sense3 SH-02M(Snapdragon630)
- Motorola moto g8 plus(Snapdragon 665)
- Motorola moto g7(Snapdragon 632)
- Asus ZenFone Max Pro (M2)Snapdragon™ 660
あの機種はSnapdragon?
先ほど掲載の搭載機種を見て、iphoneや、Huawai、Galaxyがない!と思いませんでしたか?
スマホに搭載されているSoCを作っているのは、Qualcommだけではありません。iPhoneや、HUAWEI、Galaxy にはSnapdragon以外のCPUが搭載されています(一部Snapdragon搭載機もあります)。
- Apple Aシリーズ (iPhone11 /A13搭載)
- Huawei Kirinシリーズ (P30 / Kirin 980搭載)
- Samsung Exynos(エクシノス)シリーズ、Snapdragon 機種による
SamsungはGalaxyの機種によって、CPUを変えています。上記3社は自社でSoCの開発を行っています。スマホ世界4位のXiaomi(シャオミ)も自社でCPUの開発を行う発表をしていますが、現状Snapdragonを搭載しています。将来的にはXiaomi独自CPU搭載機が誕生するかもしれません。
まとめ
2020年の現在ではスマホに搭載されるSoCはSnapdragonが一番多いです。Snapdragonの何番台が乗ってるのかわかると、どんなスマホなのか、どんな人がターゲットなのかイメージもしやすくなります。SoCはそのくらいスマホを代表する部品です。
しかし、SoCの開発はクアルコムだけではありません。最近ではMediaTek製SoC「Dimensityシリーズ」もハイスペックスマホに搭載されています。SoCは何を搭載しているのか?今後のスマホ選びの参考にしてみてください。
関連記事:MediaTek製の5G向けSoC「Dimensityシリーズ」搭載機種は?
Qualcomm公式HP:https://www.qualcomm.com/https://www.qualcomm.com/