日本未発売のスマホは多くあります。日本では見かけない価格、スペックのものがスマホのグローバル市場にはあります。そういった海外のスマホは日本でも問題なく使えるのか?調べてみました。
海外のスマホは日本で使える?
スマホには、スマホ毎に対応する周波数がありますので、使えるかどうかは機種によって異なります。販売する国や、その国の通信会社で扱う周波数が異なるため、例えばインド向けに開発されたスマホはインド国内で使える周波数を拾うように設計されます。すると日本で使われる周波数と違うため、日本では使えない場合があります。
日本で使える周波数とは?
日本では総務省が使って良い電波帯を企業に割り当てています。2020年3月にサービスを開始した第5世代移動通信システム(5G)の周波数も2019年4月に各企業に割り当てを実施しています。
この割り当ては4Gの時にも行われていて、キャリア毎に使っている電波帯が違っています。SIMフリーのスマホでは「au系のSIMだと電波拾い難い(もしくは拾わない)」なんてことがあります。SIMフリー端末を購入の際は、自分が契約しているSIMとスマホが対応する電波が一致しているか、確認する必要があるのです。では、どのキャリアがどの周波数(Band)に対応しているか見てみましょう。
各キャリアの5G対応のBand
周波数帯 | バンド | docomo | au | SoftBank | 楽天モバイル |
3.7GHz帯 | n77 | 〇 | 〇 | 〇 | |
3.5GHz帯 | n78 | 〇 | 〇 | ||
4.5GHz帯 | n79 | 〇 | |||
28GHz帯 | n257 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
6GHz未満の周波数帯は「Sub6(サブシックス)」と呼ばれます。「Sub 6」は第4世代(4G)のLTE等で使われていた周波数と近いため、LTEでの技術が使いやすい周波数です。現時点(2020年5月)で販売されている5G対応端末は「Sub 6」にのみ対応しています。問題なのは28GHz帯です。周波数帯域が30GHzから300GHzほどの電波は波長が1~10mm程度のため「ミリ波」と呼ばれます。ミリ波は光のように直線的に進むため、速度が速く大容量データを短時間で送れるのが特徴です。しかし直進性なため障害を避けることが出来ずに壁などの障害や雨にも影響し減衰が発生します。ミリ波は5Gの高速通信の肝ですが、現状のスマホはミリ波に対応出来ていません。
各キャリアの4G対応のBand
周波数帯 | バンド | docomo | au | SoftBank |
700MHz帯 | Band 28 | 〇 | 〇 | 〇 |
800MHz帯 | Band 18 / 26 | ◎ | ||
800MHz帯 | Band 19 | ◎ | ||
900MHz帯 | Band 8 | ◎ | ||
1.5GHz帯 | Band 11 | 〇 | 〇 | |
1.5GHz帯 | Band 21 | 〇 | ||
1.7GHz帯 | Band 3 | ◎ | ◎ | |
2.0GHz帯 | Band 1 | ◎ | ◎ | ◎ |
3.5GHz帯 | Band 42 | 〇 | 〇 | 〇 |
現時点では5Gはキャリアでの取り扱いのみなので、SIMフリー端末購入の際は契約するSIMがどこの4Gに対応しているのか確認が必要です。700~900MHzはプラチナバンドと呼ばれ、遠くまで届き、障害物に回り込む性質があって携帯(スマホ)に向いている周波数帯です。Band 1は全国に基地局が多数あり幅広く対応しているので最重要Bandです。またBand 3は主に東名阪の都市部に強化されています。全国対応の周波数帯とプラチナバンドが必須になります。対応Bandは多い方が安心です。楽天モバイルがMNOとしての対応エリアが狭く、実質MVMOのため記載していません。
欲しいスマホがSIMに対応しているかどうかは、海外で販売されているスマホの公式HPに記載されていることが多いです。例えば日本で発売してない「OPPO Reno 2」ですが、フィリピンのOPPO公式に記載があります。青線の箇所です。ちなみに日本のスマホのLTEは「LTE FDD」のことです。
SIMとスマホは相性がある
日本未発売のスマホというのは本当にたくさんあります。その中でも対応Bandに問題の無いコスパの良い機種も多くあります。フラッグシップ並みのスペックで5万円台、日本で同程度のスマホ買えば10万円なのに!なんてことも。スマホ選びの選択肢がぐっと増えます。スマホ選びに煮詰まったら、海外に目を向けてみるのも良いかも知れません。
しかしながら、技適マークがない製品にはご留意ください。
技適マークと対応する周波数は同じ問題?
日本国内で販売される無線機には適合基準にかなったものに技適マークが付いています。無線とはBluetoothを含めた適合基準であり、スマホが対応する周波数は別の問題です。
技適マークがないから受信ができない訳ではなく、技適マークがないと法的に受信をしてはいけないということです。ある条件(日本での使用は180日間、事前の利用申請など)以外で利用する場合、日本国内では技適マークのついている製品の利用が必要になります。
海外スマホの購入を検討をされる方は技適マークについても確認してみてください。