MediaTek製の5G向けSoC「Dimensityシリーズ」搭載機種は?

SoC

日本でも4Gを利用した5G化が実現されそうです。これまで限られていた5Gエリアが日本全国に一気に広がる可能性があります。そうなると買い控えもあった5Gスマホが一気に売れ出すかも知れません。そこで今回はMediaTek製の5G向けSoCの「Dimensityシリーズ」搭載機についてまとめてみました。

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MediaTekってどこの会社?

MediaTekはスマホのSoCなどの設計する台湾のファブレス半導体メーカーです。2019年の世界売上高ランキングでは4位でした(ちなみにSnapdragonで有名なQualcomm社は2位)。

参考:ファブレスメーカーは半導体(チップ)の設計をしますが、半導体の生産は行いません。生産を行う企業はファウンドリと呼ばれる半導体企業です。世界売上高1位のファウンドリは台湾のTSMCです。SnapdragonやAppleのSocもTSMCが作っています。

MediaTekが作るSoCの「Helioシリーズ」は安価なスマホに搭載されている印象です。UMIDIGIなどで見掛けますが、処理速度もそれなりでした。しかし2019年に登場した「Dimensityシリーズ」は5Gスマホにも搭載され、Dimensity1000+はベンチマークも最高クラスの処理能力になっています。

参考:SoC(System on a Chip)とは、スマホの頭脳にあたるCPUやメモリ、ビデオチップなど必要な部品(システム)を1つのチップに乗せたものです。搭載するSoCによりスマホの処理速度に差が出ます。

Dimensityシリーズ搭載はどのスマホか?

Dimensityシリーズにもナンバリングがされていますが、Snapdragonの様に数字が大きいものがクラスが上位というわけではないようです。搭載が確認できたものをまとめてみました。

商品名Xiaomi Redmi 10X Pro 5GOPPO Reno 3 5G
(型番PDCM00 / PDCT00)
VIVO iQOO Z1
日本
販売日
日本未発売日本未発売
(SoftBank版とは異なる)
日本未発売
参考
価格
2599元
8/128GB
4万円程度
2699元
8/128GB
4.1万円程度
2298元
8/128GB
3.5万円程度
SoCDimensity820Dimensity 1000LDimensity 1000+
Antutuベンチマーク415000407000510000
RAM8GB8/12GB8GB
ROM128/256GB128GB128GB
アウトカメラ48MP:メイン
8MP:Zoom
8MP:超広角
5MP:マクロ
64MP:メイン
8MP:超広角
2MP:白黒
2MP:ポートレイト
48MP(メインf/1.79)
8MP(広角 f/2.2)
2MP(マクロf/2.4)
インカメラ20MP32MP16MP
ディスプレイ6.57インチ
AMOLED
6.4インチ
AMOLED
6.57インチ
LCD(液晶)
サイズ164.16×75.75×8.99mm160.3×74.3×7.96mm163.97×75.53×8.93mm
バッテリー4520mAh4025mAh4500mAH
重さ208g181g194.78g
その他5G対応
NFC対応
イヤホンジャック
5G対応
NFC対応
イヤホンジャック
5G対応
NFC対応
イヤホンジャック
OSMIUI 12
(Android 10)
ColorOS 7
(Android 10)
IQOO UI
(Android 10)
ネットワーク5G:n1/3 /41/78/79
4G FDD-LTE:
B1/2/3/4/5/7/8
5G NR:n1/41/78/79
4G LTE FDD:
B1/2/3/4/5/7/8/
12/17/18/19/20/26
5G:n1/3/41/77/78/79
4G FDD-LTE:
B1/2/3/4/5/8/
18/19/25/26
対応SIM(4G)×docomo(1,3,19)
×au(1,18/26)
◎Softbank(1,3,8)
◎docomo(1,3,19)
◎au(1,18/26)
◎Softbank(1,3,8)
◎docomo(1,3,19)
◎au(1,18/26)
◎Softbank(1,3,8)

OPPO Reno3 5Gのソフトバンク版はSnapdragon765G搭載しており、カメラ構成も異なります。同じ名称でも販売される国によって仕様が異なるので注意が必要です。

ベンチマークを見ると、通常のミドルエンドのスマホよりは処理能力が高く、通常使用は快適にできるレベルです。中でもDimensity1000+搭載のVIVO iQOO Z1はフラッグシップレベルの処理能力がありながらコストパフォーマンスが高いです。

今後は日本でもDimensity搭載機は販売される?

MediaTek製のSoCはUMIDIGI製品や、docomoで販売しているGalaxyA41にも搭載されているので、今後の5G対応スマホにはMediaTekのDimensityシリーズ搭載機も出てくるものと思われます。これまでは安価なエントリーモデルに多く見られたMediaTek製のSoCも売れ筋商品になるかも知れません。

MediaTekも大きなグローバル企業ですので、知っておくとスマホの選択肢も広がります。スマホ選びの参考にしてみてください。