2021年1月、大手通信キャリアにて5G対応の新通信プランが出揃いました。発表されたプランは多くが上限20GBのプランになっています。上限の20GBの消費とはどの程度のものか、調べてみました。
最近ではテレワークの拡大により個人保有のデバイスを会社業務に使用するBYOD(Bring Your Own Device)のケースも一般的に多くなっています。各社で上限となっている20GBは充分な通信量なのかを確認していきます。記載のデータ量は環境により変化しますので、参考値としてご覧ください。
ZOOMで電話会議した時のデータ通信量は?
ZOOMを使った電話会議の機会もテレワーク環境下では増えています。ZOOMで消費されるデータ通信は利用環境によっても変わってきますので、以下は参考までにご覧ください。
ZOOM利用時間 | 通話 | ビデオ会議 |
10分 | 約12MB | 約100MB |
30分 | 約36MB | 約300MB |
60分 | 約72MB | 約600MB |
1日当たりでは対して消費しないイメージでも、毎日の業務報告、ミーティングなどで1か月使うとどうなるか?計算したのが以下です。
ZOOM利用時間 | 通話のみ | ビデオ会議 |
1日10分→月200分 | 約240MB | 約2GB |
1日30分→月600分 | 約720MB | 約6GB |
1日60分→月1200分 | 約1.44GB | 約12GB |
家にWi-Fiがある場合もありますが、外出時SIM通信を使うケースを考えると1日10~30分、月2~6GB程の利用はBYODでは充分想定できそうです。
20GBをZOOMだけで消費するには1か月2000分、1日100分程の利用をするケースになります。
参考にLINEを使った音声通話、ビデオ通話のデータ通信目安は以下になります。
LINE利用時間 | 通話のみ | ビデオ通話 |
10分 | 約3MB | 51MB |
30分 | 約9MB | 153MB |
60分 | 約18MB | 307MB |
社内環境上、問題が無い様でしたら、LINEを使った方が通信量は抑えられます。
動画視聴した時のデータ通信は?
動画視聴と言っても、利用するサービスと画質選択で大きく異なります。一概に1時間で何GBと言えないものです。ストリーミング利用する動画サービスに毎のデータ通信は以下になります。
利用サービス | ストリーミング 1日30分→1か月600分視聴の場合 |
YouTube | 144p 約60MB 240p 約84MB 360p 約162MB 480p(SD) 約306MB 720p(HD) 約0.5GB 1080p(フルHD) 約1GB |
Amazon Primeビデオ | 中 約300MB 高 約0.9GB 最高 約2.9GB |
Netflix | 低 約150MB 中(SD) 約350MB 高(HD) 約1.5GB (4K動画は3.5GB) |
dTV | 標準 約225MB 高画質 約450MB 最高画質 約0.7GB |
U-NEXT | 最低画質 約42MB 低画質 約111MB 高画質 約1GB |
ABEMA | 通信節約モード 約50MB 最低画質 約100MB 低画質 約125MB 中画質 約167MB 高画質 約333MB 最高画質 約0.5GB |
通勤通学時にSD/HD画質程度の動画を30分見た場合、1か月(20日稼働)になると以下の通信量になります。
利用サービス | ストリーミング 1日30分1か月600分視聴の場合 |
YouTube | 480p(SD) 約6.12GB 720p(HD) 約10GB |
Amazon Primeビデオ | 中 約6GB 高 約18GB |
Netflix | 中(SD) 約7GB 高(HD) 約30GB(4K動画は70GB) |
dTV | 標準 約4.5GB 高画質 約14GB |
U-NEXT | 低画質 約2.2GB 高画質 約20GB |
ABEMA | 通信節約モード 約1GB 高画質 約6.6GB 最高画質 約10GB |
視聴するサービスにもよりますが、20GBでは高画質での視聴は厳しいです。SIMでの通信の場合、低~中画質での視聴をおススメします。ABEMAを外で観るときは通信節約モードで観ますが、それほど画質が悪いとも感じませんでした。麻雀番組(Mリーグ)を観てましたが、麻雀牌の数字も読み取れました。
音楽を聴いた時のデータ通信量は?
ストリーミングの音楽に関しても音質によってデータ通信量は異なります。
利用サービス | ストリーミング 1日30分→1か月600分視聴の場合 |
Spotify | 低音質 約5.4MB → 約108MB 標準音質 約21.6MB → 約432MB 高音質 約36MB → 約720MB 最高音質 約72MB → 約1.44GB |
Amazon Music | 自動 約30MB(接続環境で変化) → 約600MB 低 約28MB → 約560MB 中 約60MB → 約1.2GB 高 約130MB → 約2.6GB |
AWA | Low 約14.4MB → 約288MB Normal 約21.6MB → 約432MB High 約28.8MB → 約576MB |
Apple Music | 標準音質 約30MB → 約600MB 高音質 約100MB → 約2GB |
動画と比べると音楽データの通信量はさほど大きくありませんが、さすがに高音質で聴くとAmazon Music、Apple Musicは2GB以上になってしまいます。
モデルケース
リモートワークも多くなったBYOD環境下での利用として、電話会議して動画観て、音楽を聴くという日常でどのくらいのデータ通信量になるのかモデルケースを上げてみました。データ量は1か月20日稼働で算出してます。
モデルA | モデルB | |
電話会議 | 10分→約2GB | 30分→約6GB |
動画 | YouTube30分 →約10GB | Netflix60分 →約14GB |
音楽 | Amazon Music 2時間→2.4GB | Amazon Music 2時間→約2.4GB |
合計 | 約14.4GB | 約22.4GB |
個人のスマホで仕事をする場合を想定してみました。会議の量と動画視聴の量で消費通信量は決まりそうです。20GBを消費する使用のイメージができるのではないかと思います。
まとめ
大手キャリアの新プランの上限が20GBが多かったので、20GBでどれだけの事ができるのか、通信データ量を調べてみました。
どのサービスを使うか、画質、音質の設定でも大きく消費容量が変わりますので、気になる方は設定を見直してみてください。
動画や音楽サービスでの消費だけならば、通信データ量をカウントしないで利用できるサービスを提供しているSIMもあります。 参考にご覧ください。
関連記事:エンタメフリーとMUSICカウントフリーって何が違う?格安SIMデータ消費カウント無しのオプション比較
関記事はOCNモバイルONEとBIGLOBEモバイルのものですが、SNS音楽データフリーというオプションがLINE MOBILEにもあります。
20GBは大容量か?
20GBは現状では大きなデータ容量と言えますが、将来的には大きなデータ容量とは言えないかも知れません。
現状では5Gの通信速度を活かしたスマホのサービスが誕生していません。今後大きなデータを利用した5G前提のVRやライブビューイングなどのサービスが出来た時、消費されるデータ容量は20GBでは足りない状況となるでしょう。
20GBが大容量なのは、現時点の事。5Gを使った革新的なサービスの誕生が楽しみです。その時には、また通信プランを見直す時期になりそうです。